今月の料理&ワインメモ

1.Bordeaux
Château BEAU-SITE 2003
この酒造は、ボルドーの老舗、格付けは政治的なもので仕方ないですけど、
サンテステフの地で丁寧なクリエイトを続けています。
この年は、ずいぶん評価が高いようで、くだものの味・香りがワインとしての
旨味に移行している様子がよくわかります。抜栓後の変化の具合も、グラスに
移したあとのスワリングによる香りの目覚めも、爆発的ではないにせよ、十分
楽しめると思います。
ワタシは、抜栓二日目三日目の変化に興味あり、ボルドーワインならではの
味覚のキモというべきタンニンの熟れ方、口腔内での存在感・気配に注目しています。
おそらくは、十分、お楽しみいただけると思います。
・ ・・このあたりがちょっと判ってくると、そのワインのセパージュなど
知りたくなってきますが、まず、十分に常温で休ませてあげて、抜栓してから、
痛んでないことをチェックし、一時間ぐらいして味見してください。


2.Verona Italy.
Tenuta Sant' Antonio TE'lOS / IL ROSSO 2012
産地であるウェネトは、北イタリーにあり、温暖な気候に恵まれた南部の産地よりも
造り込みには色々、技巧が織り込まれています。特にこのワインは、収穫したての葡萄の実を仕込むのではなく、葡萄を天日干しにし、水分を飛ばして濃縮した果実味と発酵を促進する糖度を獲得する「アマローネ」という技術を使っています。
貴腐ワイン等は、実をつけたまま氷温に晒して糖度を上げる方法を採りますが、
こちらは、干しぶどうにしてから仕込みます。
飲んでみると、ずいぶんフレッシュで、アマローネのニューウエーブかなと思いました。
調べてみると、今回入手したものは、規格から外れているようで、正調アマローネではりませんが、強さ、芳醇さ、フルーツ香の濃さは充分アマローネです。
また、TE'ROSという名前に「無農薬で製造された・・」という意味を込めてあるそうで、酸化防止剤無使用のワインです。
イタリア語でなんというか知りませんが、小職の専門であるBourgogne Franceでは
ヴィオディナミ (Vaio dynamic) の農法が進み、完全無農薬・酸化防止剤ゼロのワインが主流です。


3.Bodegas Alto Moncayo / Spain
VERANTON 2014
上記に挙げたいずれも個性がつよいワイン、否、どのワインも「個性」で勝負している訳ですが、これは見事なほど頑固一徹というか、「貫き通している」強さを感じる一本。
最初に紹介したボルドーは、3〜4種のぶどうの種類を調合しているはずですが、(その割合を示すことをセパージュといいます。)
このスペインワインは、グルナッシュという品種のみで作られています。
(もちろんご存知のようにBourgogne Franceでは、赤ワインはピノノワールでなければBourgogneではない、と16世紀からのワイン法に書かれています。)
いずれのワイン評をよんでも、激賞につぐ激賞。個人的には、グルナッシュでのワインはあまり得意でないのですが、「知っておくべき作り手であり、一本」です。

いろいろ、書きましたが、
最初にお送りしたサンマルツァーノ50周年NV / を中心にとした3次極座標に、放射状に広がる3種の「ワイン世界」を置いてみました。小職は、あまり表形分類学的にワインを理解するのが苦手なので、こういう書き方しかできません。
長い間、勝手にかなりの本数のワインというベクトルを、
その座標に投げ込んできましたが、
このなんとも摩訶不思議な飲み物は、時折、
「その座標の極、つまりx,y,zゼロ点には何があるのか?」と尋ねてきます。
まあ、そんな時です、いい年をしたオッさんが、言葉に詰まるのは。、、、、、